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書評2012年度後半

ギャラリー

希臘から来たソフィア

小説としては噴飯モノだが,グローバリズムとは弱肉強食の意味であり,ギリシャの経済破綻のメカニズムがすっきり分かる。TPP反対!
自由社 1,600円+税

神去なあなあ日常

林業小説なんです。これが面白い!
高校を卒業したらフリーターで食っていこうと思っていた平野君が,過酷な林業現場に送り込まれ…。
徳間文庫 619円+税

移行期的混乱

著者の平川克美さんは内田樹さんの親友。サブタイトルは経済成長神話の終わり。人口が減っても経済成長しなくても大丈夫。元気が出ます。
ちくま文庫 760円+税

私の嫌いな探偵

謎ディナの東川さんは尾道市出身。これは烏賊川市シリーズの最新刊。私立探偵鵜飼と助手の流平は相変わらず男子中学生のノリ。笑えます。
光文社 1,500円+税

主婦たちのオーレ

遥洋子さんの小説。主人公は銀行の女性総合職だったけど挫折して退職して…。しかし,とにかく読むと元気が出る物語。ゆきさん男前!
筑摩書房 1,500円+税

問題な日本語 そのC

明鏡国語辞典の回し者っぽいですが面白いです。本文は本格的な日本語文法。挿絵キツネ君は「こちら,きつねうどんになります」以来。
大修館書店 900円+税

ルネサンス

2013年はルネサンスの3大巨匠の作品が日本にやってくる。ラファエロ展,ダヴィンチ展,ミケランジェロ展。全部東京だけど見に行きたい。
洋泉社 1,600円+税

一個人4月号

ルネサンスとは何だったのか。ゴシックからだんだんルネサンスに移行していく過程がよくわかるのはこっち。絵の解説も詳しい。
KKベストセラーズ 680円+税

月とにほんご

中国嫁日記の第3弾。嫁の月さんは中国人なのに一人っ子じゃないのはモンゴル族だからなのね。その月さんの日本語学校での学習の様子。
メディアワークス 952円+税

ナミヤ雑貨店の奇蹟

東野圭吾の本を初めて読んだ。タイムスリップ的SF。過去と現在が悩み相談の手紙を通してつながっていく。面白いです。
角川書店 1,600円+税

シズコさん

「100万回生きたねこ」の佐野洋子さん。母親を愛せなかった佐野さんと家族の物語。どんなに相性が悪くても母は母なんだ。心にしみる。
新潮文庫 430円+税

ビブリア古書店の事件簿4

今までの今度のビブリア古書店は短編集だったけど今度は一冊まるまる一編。ついに行方不明だったお母さん登場。江戸川乱歩の謎を解く。
メディアワークス文庫 570円+税

残り全部バケーション

伊坂幸太郎。裏稼業の溝口とボスの毒島の対決。溝口も毒島も悪い奴らなのにスイーツが大好き。訳わからん乱暴者の溝口が賭けに出る。
集英社 1,400円+税

いつも食べたい!

ご存知リンボウ先生の食べ物に関するエッセー。けっこうB級グルメなんですね。自分でチャッチャと作るところが参考になります。
ちくま文庫 800円+税

美女たちの西洋美術史

木村泰司先生の美術史の本です。まこと西洋美術史はヨーロッパの歴史と関係深いので,世界史の勉強にもなりますなあ。新書にしては高価?
光文社新書 1,040円+税

かわいい自分には旅を…

遊痴庵と同い年の浅田次郎のエッセー。浅田次郎は昔の中国を舞台にした小説も書いているが,現代中国にそんな小説がないのが不思議。
文藝春秋 1,400円+税

ザ・万字固め

マキメさんのエッセー。サッカーファンらしく戦国武将でチームをつくったら,誰をどのポジションにするかの考察が爆笑!
ミシマ社 1,500円+税

スナックさいばら

「生きる知恵」の続編。とてもためになり読むと元気が出る人生相談。中学生読むべからず。
角川書店 800円+税

はだしのゲン自伝

「わたしの遺書」とかなり内容が重複するが,自伝だけあってこっちのほうが詳しい。かなり左だが,原爆の現実を伝える貴重な一冊。
教育史料出版会 1,600円+税

14歳の子を持つ親たちへ

かなり哲学的な内容です。印象的なフレーズが数多。「先に居着いた方の負け」とか「ディベートは最悪の教育法」とか「親は役割である」とか「義務教育は13歳までで」とか。
新潮新書 680円+税

輝天炎上

あれ?読んだことある?と既視感。そのはずケルベロスのアナザーストーリーでした。桜宮は海堂ワールドでは東城大学のある街ですよ。
角川書店 1,600円+税

スリジエセンター1991

若き日の高階院長はまだ講師。世良は四年目。ジェネラル速水は医師一年目。エトワール天城のスリジエセンターはどうなる? 陰謀渦巻く。
講談社 1,600円+税

いつまでもショパン

ドビュッシー,ラスマニノフに続く音楽ミステリー。今回の舞台はショパンコンクールのポーランド。国際テロに対する音楽の力はスゴイ。
宝島社 1,400円+税

先生と僕

この本はA先生からの借り物。夏目漱石をめぐる学生・弟子・友人たちの「文豪四コマ」。いやなかなかマニアックで面白かった〜。
メディアファクトリー 714円+税

解錠師

原題はThe Lock Artist。どんな錠でも開けることができる才能が青年を運命的に犯罪に巻き込んでいく。絶体絶命の状態から最後は救いへ。
ハヤカワ文庫 940円+税

あかねさす

新古今の和歌を現代の状況に置き換えて恋話にし,最後に和歌を現代語。どの話もしょうもない恋話なのだが,往時の貴族たちの恋も同じ。
河出書房新社 1,300円+税

北京大学てなもんや留学記

商社に就職して中国と出会った関西人女子が,後に北京大学に留学。中国人や韓国人留学生と丁々発止と渡りあう。解説は池上彰さん。
文春文庫 543円+税,719円+税

きみはいい子

虐待されている子どもたちの話。最後には救いがある。かな。「うばすて山」の主人公の,母親に対する嫌悪はかなり理解できるから恐い。
ポプラ社 1,400円+税

三匹のかいじゅう

岳物語から30年,岳君は三児の父になりました。祖父椎名誠と孫たちの交流。子供の様子の描写が秀逸。思わず爆笑して,あるあると叫ぶ。
集英社 1,200円+税

移民の宴

在日外国人たちがどんな食事をしているかのレポート。暖かい目で民族性や日本での生活の様子も描かれている。食べてみたい料理も沢山。
講談社 1,600円+税

生きるぼくら

引きこもり青年がお祖母ちゃんの家に行き,稲作を通して復活する物語。話ができすぎていると感じることもあるが,農業の力を感じる。
徳間書店 1,600円+税

今宵バーで謎解きを

謎ディナに似た安楽椅子探偵話。ワインとチーズと昭和なオジサンたちのウンチクがあり,美人大学院生が謎を解く。昭和の人向きか?(笑)
光文社文庫 571円+税

昭和のエートス

内田樹さんの本。切り口が斬新かつ合理的で目からウロコだらけです。関連記事が絵日記34号にあるので,そっちも見てください。
文春文庫 676円+税

いきのびる魔法

鴨ちゃん「戦場で一番怖かったのは少年兵。大人は愛するものや大切なものを知っているからそんなに人を殺さない」はやく大人になろうね。
小学館 1,000円+税

もしもノート

似たようなノートがいろいろありますが,シンプルでリーズナブルなお値段のこれが一番オススメかと。終末医療のことなど書いておこう。
ライフアンドエンディングセンター 460円+税

不忠臣蔵

井上ひさし。人生の甲羅を経た大人の本です。ウソや陰謀や情実もある討ち入りしなかった人たちの話。若い作家には書けないね。
集英社文庫 760円+税

銀の匙(6)

出た出た,第六巻。マロン号が存在感を増しています。お蝶夫人のような南九条あやめ。学祭の当日に入院してしまった八軒。ますます好調。
小学館 419円+税

燻製大事典

書庫にあるはずなのに見つからず,また買ってしまった。燻製のコツがたっぷり詰まっていて分かりやすい。そうか塩漬けはピックル液ね。
成美堂出版 1,400円+税

暗き夢に…と,時空の…

あさのあつこさんのファンタジー。「暗き夢に…」は中学校が,「時空…」は江戸時代が舞台。中学生向き。闇の住人と戦う中1女子の話。
ポプラ文庫 各540円+税

百年法

何となく小松左京の「日本沈没」を思い出してしまった。佐藤優氏が推薦していたので買った。安楽死の問題とも通底して深いSF巨編。
角川書店 各1,800円+税


ビアンカオーバースタディ

筒井康隆がライトノベル?冗談でしょと思ったらやっぱり冗談だった。いつもの筒井康隆。ライトノベルと思って子どもが読んだら危険です。
星海社 950円+税

わたしの遺書

中沢啓治は12月19日に亡くなられた。この本を読むと中沢さんがいかに本気で原爆に怒っているか,また原爆の恐ろしさが分かる。読むべし。
朝日学生新聞社 1,300円+税

ひもとロープの結び方

2013年の年賀状の参考資料です。いろいろ見たけどこれが一番分かりやすいと思う。トラック結びができるようになりたい。
ナツメ社 900円+税

やさしい飾り結び

これも年賀状の参考資料にと思って注文したが結局間に合わなかった。しかし,教材として使えそう。ペーパークラフトより実用的かも。
日本放送出版協会 2,301円+税


あまからカルテット

柚木麻子さんの本は初めて読んだが,なかなかイイ! 女の子の恋の悩みや仕事のストレスが共感できる。中学生にもおススメです。
文藝春秋 1,400円+税

東雲の途

あさのあつこさんの時代小説。弥勒の月,夜叉桜,木練柿と続く遠野屋清之介シリーズの最終巻。商人清之介と同心信次郎のキャラがいい。
光文社 1,600円+税

あそび絵くらべ

県立美術館の浮世絵展に行って,買った。面白い。これも教材に使えそう。中学校の国語の教科書にのっている絵のバリエーションも。
東京美術 1,300円+税

女子中学生の科学

女子中学生の小さな大発見の続編。これが3冊目。実験したり観察したり考察したり。彼女らの思いもよらぬ発想に驚く。理科ってマジ面白い。
静岡新聞社 1,443円+税


旅猫リポート

有川浩の新刊。猫好き絶対に読むべし。猫が主人公。猫の気持ちや行動がリアルで,読みながらケケケと笑ってしまった。最後は感動。
文芸春秋 1,400円+税

死亡フラグが立ちました2

ここまでバカバカしいとかえって清々しい。編集長岩波の傍若無人ぶり,死神の裏の裏をかく周到ぶり。天才本宮の超人ぶり。とにかく爆笑。
宝島社文庫 552円+税

オタクの息子に悩んでます

岡田斗司夫による人生相談の答え方。担任が生徒の話を聞く時に使える技だ。問題解決のための分析力と思考力が身につく。担任読むべし。
幻冬舎新書 940円+税

大江戸ものしり図鑑

地方の住人には,本所深川とか言われても土地勘がないのでもや〜っとしていたが,これでスッキリ。イラストが全部浮世絵。カラーでないのが残念だけど,スグレモノです。
主婦と生活社 2,000円+税


1941

著者のすずきじゅんいち氏は「マリリンに会いたい」などを撮った映画監督。日系アメリカ人の元兵士数百人のドキュメント映画の制作秘話。
文芸春秋 1,500円+税

世界とはいやなものである

関川夏央著。この人の「海峡を越えたホームラン」「ソウルの練習問題」を読んで,遊痴庵は韓国語の勉強を始めたのです。やっぱりイイ。
集英社文庫 619円+税

お言葉ですがI

高島俊男さんも好きです。大学で中国文学を教えていた人。1937年生まれ,終戦時8歳。だから生の歴史が分かる。口は悪いけどイイ。
文春文庫 571円+税

塩野七生さんの若書き2冊

塩野さんもイイですね〜。イタリアの歴史は,ヨーロッパの歴史でもある。シーザーとかマキアヴェッリとか,大人の男が魅力的。上2冊は今回は若いころの作品。
新潮文庫 630円+税,750円+税

イッキによめる!名作選

斎藤孝さんのオススメ短編集。朝読書に最適。総ルビなのがウザイけど,中学生には適する。章末クイズ秀逸。そうか!こう問えばいいのか!
講談社 各 1,000円+税

銀の匙(5)

荒川弘氏の「銀の匙」第5巻! 今回もいろいろありますが,マロン号との確執がメインかな。動物に対する心の持ちようが納得できる。
小学館 419円+税

凍りのくじら

最近,辻村深月氏にハマってます。。ドラえもんの使い方が新鮮で面白い。途中で結末が見えてしまったが,それでも最後にはジーンと涙。
講談社文庫 781円+税

「その健康法では早死にする!」と「じつは身体に悪い19の食習慣」

両方ともスゴく納得できる!
「その…」 扶桑社 1,260円
「じつは…」ワニブックス 760円+税


読書の技法

佐藤優氏の読書の技法。月平均三百冊以上の本を,書き込みをしながらノートを取りながら読む。高校の教科書や参考書がオススメだそうな。
東洋経済 1,500円+税

「ツナグ」と「償い」

帯を見たら分かるように,両方とも映画化・ドラマ化されるそうな。両方とも深いところがある。
ツナグ 新潮文庫 630円+税
償い 幻冬舎文庫 648円+税

死亡フラグが立ちました!

ずっと書店で見ていて,タイトルが軽薄そうだから買うのをためらっていたが,買った。読んだ。面白かった。やはり軽かったけど。
宝島社文庫 552円+税

魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?

「謎ディナ」の東川さんの本。同じ系列と思ってよし。中学生向き。楽しめる。
文芸春秋 1,400円+税


十二単を着た悪魔

現代の軟弱なフリーターが源氏物語の時代にタイムスリップ。弘徽殿の女御サイドから見た源氏物語。リアルで面白い! ドラマ化されそう。
幻冬舎 1,600円+税

国盗り物語(一)〜(四)

@〜Aは斎藤道三が中心の,いかにも週刊誌連載小説のエロもあり。B〜Cは織田信長と明智光秀の確執。室町学院高校のネタはこれか!
新潮文庫 705〜857円+税

女性のいない世界

翻訳ノンフィクションは読みにくくて最初は苦労したが,だんだん面白くなる。この本については絵日記17号でも紹介しています。
講談社 2,200円+税

完全なる首長竜の日

なんと映画化されて2013年公開なんですと。アマゾンのカスタマーレビューの評価はバラバラだけど,私には面白かった。
宝島社 562円+税

室町学院高校生徒指導室

絶品です。戦国武将ネタ満載。マニア必見。3巻で終了。絵がうまい。作者の高枝景水氏は荒川弘氏のアシスタントだったそうな。
(株)スクエア・エニックス 各476円+税

街場の中国論

いや〜内田樹さんは面白い。目からウロコです。こんなふうに考えればいいのね。
ミシマ社 1,600円+税

サクラ咲く

辻村深月さんの本。中学校・高校が舞台。恋したり喧嘩したり事件を解決したり。三編のオムニバス。最後の「世界で一番美しい宝石」が秀逸。
光文社 952円+税

光待つ場所へ

辻村深月にハマっている。これは高校〜大学生の物語。「サクラ咲く」より深い。美術畑の人間として「しあわせのこみち」は痛い。2段組みで字が小さいけど900円はお得。
角川書店 900円+税

本日は大安なり

直木賞を取った辻村深月さんの本。今回初めて読んだが面白かった。ウィキで調べたら,これ今年の1月〜3月にNHKよる★ドラで放映されていたのね。知らなかった。
角川書店 1,600円+税

街場の教育論

ご存知内田樹先生の教育論。読んでいて元気が出るな〜と思ったら,あとがきで「学校の先生達が元気になるような本」にしたかったのですと。
ミシマ社 1,600円+税

灯籠

う〜ん。女子中学生の書いた少女漫画の原作っぽい。なぜかMEGAにも丸善にも平積みになっていたが。
ハヤカワ文庫 620円+税

アスペルがーですが妻で母で社長です

アスペルガー当事者の本。30のルールが参考になる。ニキリンコさんの「自閉っ子」シリーズ(花風社)もとても分かりやすくてオススメです。元気が出ます。
大和出版 1,300円+税

白ゆき姫殺人事件

うわ〜!湊節だ〜!
女はコワイよ〜。
しかしなかなかのミステリー。
中学生読むべからず。
集英社 1,400円+税

ザ・万遊記

万城目学エッセー。
万城目さんってサッカーファンだったのね。司馬遼太郎の「花神」を評価しているところがよい。私も好きです「花神」。みんな読もう。
集英社文庫 514円+税

生きる悪知恵

サイバラ流人生相談。正しくないけど役に立つ知恵。さすがサイバラさん,言う事が深いです。中学生読むべからず。
文春新書 800円+税

木を植えた男を読む。

「木を植えた男」は実話ではなかった!しかし,そこには実話以上の真実がある。物語の原文(フランス語)と日本語訳,ジャン=ジョノがこの物語を書いた動機や日本を含む世界の森林復活の真実が分かる!
徳間書店 1,900円+税

空飛ぶ広報室

有川浩さんの新刊! 航空自衛隊の広報室が舞台です。鷺坂室長(仮)に「航空自衛隊をネタに小説を書きませんか」と売り込みを掛けられ,取材してできた小説です。
幻冬舎 1,600円+税

命のカウンセリング

帯の紹介にもあるように,今年の24時間テレビで二宮和也が主演するドラマスペシャルの元になった本です。初版は2010年。グループセラピーの手法は教育現場にも使えそう。
あさ出版 1,300円+税

あさのあつこさんの時代劇。脇役ではあるが藩主の圭寿が主人公達を凌ぐぶっ飛んだトンデモ殿さまで,先が楽しみ。現在3巻まで出ているが,長い物語になりそう。
文春文庫 各495円+税

キリンガヤ

キリンガヤとはアフリカの一部族のユートピアとして設立された小惑星のこと。1999年初版の本ですが,今読み返しても全然古びていない。いや環境問題が多くの人々の関心事になった今だからこそ読んで欲しい。
ハヤカワ文庫 820円+税

informationお知らせ

2012年後半から2013年3月末までの読んだ本リストです。

profile

遊痴庵

中国山地のほぼ天辺に住む退職美術教師。活字中毒者です。退職一年が過ぎました。